法話

【辰年】 ~龍と雲のように~

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◆はじめに

今年は辰年です。十二支の5番目の辰には龍が当てられています。
龍は架空の生物ですが、インドでは仏を護り、中国では力を持つ者の象徴となっています。


◆「龍と雲」

禅の言葉に「龍吟雲起(りゅう ぎんずれば くも おこる)」とあります。
龍神は水の神様、雲は雨を降らせるという同じ性質を持っています。
そこで、龍のように勢いのあるものが呼びかけると、雲が湧き起こるように周りの者がそれに応えて、
さらに大きな力となって世を動かすというたとえに使われます。


◆「トイレの落書き」

ある工場での出来事です。最新の設備を整えていて海外からの視察も多かったのですが、一つ問題がありました。
それは、トイレの落書きでした。社長や工場長が注意をしても改善されずに頭を悩ませていました。
それがある日を境にぴたりと無くなりました。

トイレの清掃をしている職員の方が、
かまぼこ板に「落書きをしないでください。ここは私の神聖な職場です」と書いて張ったところ、無くなったそうです。


◆おわりに

龍だけでなく、私たち誰もが周りに影響を与えています。
仏教の教えでは、これを「縁」といいます。
今年もよいご縁に恵まれますように。
そして、家族や周囲の人々に良い影響を与えることができますように。




お地蔵さん

【地蔵院通信】令和6年お正月 第55号

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
檀信徒の皆様方には、旧年中の御法愛を厚くお礼申し上げます。
本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

合掌

- 西のあみだ様 -

阿弥陀如来とは、人々を救い、西方極楽浄土へと導いてくださる大変ありがたい仏さまです。
この仏様を深く信仰している方の所へ小学校5年生になるお孫さんが泊まりに来られました。

夜になって眠る時にお孫さんが、お祖父ちゃんにおとぎ話をねだります。
そこでお祖父ちゃんは「西方にあみだ様という尊い仏さまがおられて、皆を救ってくださるんじゃ」と話し始めました。
すると、お孫さんは「あみだ様はどこにいらっしゃるの?」と尋ねました。

あみだ様

「そうさな、西の方角じゃ」

「それじゃあ九州?」

「もっと西かな」

「それじゃあ中国?」

「もっと西かな」

「それじゃあインド?」

お孫さんはどんどんと尋ねます。

「もっと西かな」

「それじゃあ、ぐるっと回ってここへ帰ってくるよ。あみだ様、ここにおるん?」

答えに困ったお祖父さんは「もう寝なさい!」

たわいない笑い話のようですが、長く東福寺の管長を務められた、福島慶道老師は仰います。

「禅は、今ここ、この私。ここにちゃんとあみだ様がおるじゃないか」と。

私たち誰もが本来、仏さまと同じ素直で優しい心を生まれながらに、ちゃんと持っています。
一人一人があみだ様になれば、きっと明るい幸せな年になります。
どうかそのような年でありますように。


合掌

おじいさんと孫

- 地蔵院年間行事予定 -

 1月 1~ 3日  大般若祈祷
 1月 4~10日 年頭配札
 3月17~23日 春彼岸
 4月14日    花祭と春供養
 7月13日    子供座禅会
 8月 1~15日  盆経
 8月22日    お盆供養
 9月19~25日 秋彼岸
11月15日    開山忌
12月31日    除夜の鐘

- お地蔵さんの広場 -

「一、十、百、千、まん」

倉敷市 S.W


もうずいぶん前の講演会だったので演題は忘れたが、民放ラジオの人気アナウンサーの講演を聞く機会に恵まれた。
講演内容は毎日の行いとして

一は、一日一度は大笑いする。

十は、外出して十人の人と出会う。

百は、百文字書く。

千は、千文字読む。

まんは、饅頭は一日二個まで。

今の私は、絶えず笑顔でいようと心がけてはいるがどうでしょうか…?

外出しての出会いはパート勤務で守れている。

百文字は日記を書いているが、まとめ書きすることがある。

千文字は新聞を読んでいるが、スポーツ中心。

まんは甘党なのでコーヒー、お茶のたびに菓子に手が出てむつかしい。

百歳人生と言われている時代なので元気に暮らす源として、
今年は年頭にあたり全てがきっちり守れるよう目標を立てたいが…?

笑顔

- アレも仏教語 -

「ご馳走様・ごちそうさま」

禅宗のお寺では、韋駄天という足の速い仏さまをお祭りしています。
もともとは、インドの神さまですが、お釈迦さまや修行僧のために走り回って食べ物を集めたと伝えられています。

そこから、食事を調理してくださった方、食材を用意してくださった方々に対して
感謝の気持ちを表す言葉として「ごちそうさま」と言うようになりました。

ごちそうさま

- 書 -

書

令和六年 辰年

龍吟(りゅうぎんずれば) 雲起(くもおこる)

南禅僧堂
日下元精老大師

- 編集後記 -

今年の干支は「辰」です。
十二支の5番目で龍が当てられています。

上の掛け軸、「画」は龍と雲です。
インドに伝わるお話では、お釈迦さまが生まれた時に龍神が甘露の雨を降らせてお祝いしました。
それにちなんで花まつりに誕生仏に甘茶をかけるのです。

「禅語」「龍吟雲起」(りゅう  ぎんずれば  くも  おこる)です。

WBCの決勝戦の試合前に大谷選手がチームメイトに「憧れるのをやめましょう」と呼びかけて、
他の選手が呼応したように、勢いのある者に皆が応える様を表しています。

説明




今月の掲示板

倒れないことも

すごいけど、

倒れても倒れても

起き上がる方が

すごい !

梅


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